フラワープリントはお好き?1920年代

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20世紀のはじめ、つまり20年代のはじめ頃まで、
フラワープリントが服の主役になることはあまりありませんでした。
暗い色のコートやジャケットを少し華やげるためにライナーに使われたり、
ポケットや襟など一部分によく使われていたようです。

1922年、一部フラワープリントのワンピースを着た女性。
また20世紀を通してどんな身分の女性のためにも花柄のエプロンがあったように、
家の中・外に関わらず仕事着に、また下着やナイトウェアーに使われていました。
確かに綿のサマーワンピースやシルクのイブニングドレスに
フラワープリントが使われたこともあったようですが、
それは例外的で特にハイファッションではなく、
フラワープリントは当時広く普及していたアートシルク(レーヨン)
などむしろ安めで2級の生地に施されることが多かったようです。
そのためフラワープリントは、まだ収入の少ない、
若い女性の服というイメージも強かったようですね。

1927年、働く女性たち。
一方でフラワープリントが注目される場もありました。
この頃発展してきたレジャー文化です。
多くの女性が働くようになったこともあり、
休日に郊外や海辺に出かける人が増えてきます。
ビーチパジャマと呼ばれた、チュニックまたはジャケットにズボンというセットには
フラワープリントが多く使われました。
またアマチュアスポーツも人気となり、
観戦用の服やスポーツウェアにもフラワープリントが好まれるようになりました。
ハイファッションほどエレガントでもなく、
普段の服とも少し違う、ということでフラワープリントが選ばれたのでしょうか。

1923年、テニス観戦に来た女性たち。
20年代の後半になると、
当時ファッションの中心であったフランスのデザイナーたちが
フラワープリントを取り入れるようになります。

1926年、スパニッシュ・ショールのショーに集まった人々。
その後ファッションの中心から各地のデザイナーたちにも広まって行きます。
しかし20年代全体を通して、フラワープリントはいつでも誰もが好んで着るという
ポピュラーな位置づけにはなかったようです。
以下、20年代のフラワープリントたち。

20年代中頃、ビーチパジャマ。

20年代始め頃、部屋着もしくはナイトウェアー。

20年代中頃、シルクのデイドレス。


20年代中頃、デイドレス。

26年、広告。
全体的に、デイドレスのフラワープリントは大きなお花が多いです。
20年代のファッションに大きな影響を与えていたのは
キュービズムとアール・デコですが、
フラワープリントにも表れているのでしょうか・・?
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